【イギリスの料理、不味いって本当?】在英者のホンネとロンドンの食事情を解説
「イギリスのご飯はまずい」というイメージ持っている方も多いのでは。これから旅行や留学を考えている方の中には、「滞在中美味しいものが食べられるのだろうか…」と心配になる方もいるかもしれません。
実は、イギリスのご飯事情はそんなステレオタイプだけでは語りきれません。今回は、在英歴5年目の筆者がイギリスの食文化についてたっぷりとお伝えします。これを読めば、イギリスでの食事が楽しみになること間違いなし!
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イギリス料理の魅力、そして課題
代表的なイギリス料理って?
イギリス料理といえば、次のようなものが挙げられます:
イングリッシュブレックファースト
ソーセージ、ベーコン、卵、トマト、マッシュルーム、ビーンズ、トーストが定番のボリューム満点な朝食。
フィッシュアンドチップス
衣をつけて揚げた白身魚とポテトフライのセット。伝統的にはモルトビネガーをかけて食べるのがイギリス流。
サンデーロースト
日曜日の定番料理。ローストした肉(牛肉、豚肉、鶏肉など)とグレイビーソース、ヨークシャープディング、焼き野菜の盛り合わせ。
シェパーズパイ / コテージパイ
ひき肉の煮込み(羊肉の場合はシェパーズパイ、牛肉ならコテージパイ)にマッシュポテトを乗せて焼いた家庭料理。
なぜ「まずい」と言われるのか?
シンプルすぎる味付け
伝統的なイギリス料理は、素材そのものの味を活かすシンプルな調理法が中心。しかし、これが「味気ない」「工夫が足りない」と感じられる原因になることも。歴史的に、イギリス料理はスパイスや調味料をあまり多用せず、塩や胡椒程度の控えめな味付けが主流でした。この点が他国の料理と比較して「味が薄い」「美味しくない」と感じられる理由になっています。
見た目の地味さ
イギリス料理は全体的に茶色っぽい見た目のものが多いので、フランス料理やイタリア料理、スペイン料理など、彩り豊かで華やかな他国のグルメと比べると、どうしても見栄えが劣り、食欲をそそられにくいというのも理由の一つ。
第二次世界大戦後の食文化の低迷
戦時中の配給制度により、調理に使える食材が制限され、料理全体の質が低下。その影響が長く続き、イギリス料理のイメージに影を落としました。
国際的な料理の影響
イギリスは多国籍な料理が充実しており、特にインド料理や中華料理が人気です。このため「わざわざ伝統的なイギリス料理を選ぶ必要がない」という状況も、「イギリス料理の印象が薄い」と言われる一因です。
イメージの固定化
特定の料理(例: 冷たいパイや塩味が強い保存食)に対するネガティブなイメージが広まり、イギリス料理全体が「まずい」と一括りにされることが多かったのも理由の一つです。
実際のロンドンでの食事情
実際にロンドンで生活していると、イギリス料理を食べる機会は意外と少ないものです。自分から進んで食べない限り、日常的にイギリス料理に触れることはほとんどありません。私自身、最後にイギリス料理を食べたのはいつだったかな…と記憶が曖昧なくらい。
というのもイギリスは日本よりもずっと多国籍な食文化が根付いた国で、ロンドンでは特に世界中の料理を楽しめるレストランがたくさんあります。あくまでイギリス料理がパッとしないというだけで、イギリスで食べられる料理のクオリティは、他のヨーロッパの国々と大差ありません。ロンドンはむしろヨーロッパトップレベルといえます。
国際色豊かなレストランで外食を楽しんだり、家ではまさに日本で食べているようなご飯を作ったりして、食にはほとんどストレスを感じない毎日を過ごしています◎
スーパーやデリカテッセンの現実
とはいえ、スーパーで買えるサンドイッチやお惣菜、電子レンジで温めるタイプの食べ物には、正直がっかりすることもしばしば。ただ、これはイギリス特有の問題というより、日本のスーパーやコンビニの「安くて美味しい」クオリティに慣れていると、欧米のどの国でも感じることかもしれません。
基本的に、スーパーで買うサンドイッチやお惣菜にはあまり期待しないのがベスト。これからイギリスに住む方なら自分で家で作って持ち歩くのが安心ですし、旅行中の方なら、美味しいパン屋さんやデリを事前に調べて訪れるのがおすすめです。
ロンドンには素敵なベーカリーがたくさんあるので、ちょっと足を延ばすだけで満足感のある軽食が楽しめますよ🥐↓
イギリスの食を楽しむコツ
現地に住む日本人のブログやSNSを参考にする
イギリス人と日本人では味覚がかなり異なるので、どのお店が美味しいかを判断する基準も違ってきます。だからこそ、現地に住んでいる日本人が運営しているブログやSNSを参考にするのがおすすめ。実際に行ったことがあるお店が詳しく紹介されているので、失敗することなく美味しい料理に出会える期待大。
本場のアフタヌーンティーを体験してみる
イギリスならではの楽しみといえば、やはりアフタヌーンティー!ホテルやティールームで楽しむ本格的なものから、カジュアルに味わえるものまでバリエーションが豊富です。美しいティースタンドに盛られたサンドイッチやスコーン、スイーツは見た目も華やかで、旅の思い出にぴったりです。
ただし安価なものは味やサービスがイマイチな場合も多いので、少し奮発してでもレビューの高い有名店を選ぶのがおすすめです。私のおすすめはFortnum and Mason!
多国籍な料理を積極的に試す
ロンドンをはじめとする都市部では、世界中の料理が楽しめます。インドカレー、タイ料理、中東料理など、ローカルに根付いた多国籍料理はどれも本格的で美味しいものばかり。イギリスにいながら世界の味を堪能できるのも魅力です。
イギリスは実はカレーの聖地とも言われていて、Chicken Tikka Masalaはイギリス生まれのインディアンカレー!
ファーマーズマーケットで新鮮な食材を楽しむ
ロンドンでは毎週末、地域ごとにファーマーズマーケットが開催されています。新鮮な野菜やチーズ、焼きたてのパンやキッシュなどが手軽に購入でき、どれも高品質。観光地での食事に飽きたら、マーケットで軽食を楽しむのもおすすめです。
おわりに
「イギリスのご飯はまずい」というイメージに縛られず、ぜひ現地でいろいろな料理に挑戦してみてください。多国籍な食文化、伝統的なイギリス料理、そしてフードマーケットでの発見が、あなたの旅をより豊かにしてくれるはず。イギリスでの食事が、楽しい思い出の一部になりますように!