【ロンドン パン図鑑】Vol.1 Layla Bakery(レイラ・ベーカリー)

モダンなパン屋さんから伝統を重んじる老舗まで、よりどりみどりのロンドン。
そんなパンの街を舞台に、パン屋巡りが趣味の筆者が訪れたお店をレビューしていくのが「ロンドン パン図鑑」シリーズ。映えある第一弾を飾るのは、ロンドン在住のパン好きなら一度は耳にしたことがあるであろうLayla Bakery(レイラ・ベーカリー)。
ロンドンで美味しいパン屋を探し求める日本人に届きますように。
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Layla Bakeryの紹介
Layla Bakery は西ロンドン発の人気ベーカリー。創業者のTessa Faulknerがロックダウン中にノッティングヒルに第1号店をオープンし、2025年9月には待望の2号店がアクトンに誕生しました。
Tessaは東ロンドンの職人ベーカリーを巡るうち、西ロンドンには同じようなお店が少ないことに気づき、「地域の文化やコミュニティを大切にしながら、素材にこだわり、すべてを店内で作るベーカリーを開きたい」と考えるようになったとのこと。その想いが Layla Bakeryの原点になっています。
- 季節に合わせた商品づくり
春はルバーブやニンニク、夏はアスパラガス、秋にはプラムや洋梨、冬はホットクロスバンやシナモンバブカなど、旬の食材や季節感のあるパンを大切にしている
- 地域とのつながり
近隣住民の憩いの場として愛され、多くのお客さんが常連から友人に。外のスペースも人気で、朝日を浴びながらコーヒーを楽しむ人も多し。地域コミュニティーのつながりを大切にしている
- こだわりの仕入れ先
たとえば「Wildfarmed」という再生型農業を推進するサプライヤーから小麦粉を仕入れており、環境に配慮した持続可能な食材を使っている
サワドーブレッドの人気をきっかけに、Instagramなどで写真映えする美しいペイストリーとその美味しさが広まり、いまでは店先に長い列ができるほどの大人気ベーカリーへと成長。午前中のうちにほとんどの人気パンが売り切れることも多いので、目当てのパンがある場合は朝イチでの訪問がおすすめ。
雰囲気
Layla Bakeryは清潔感があり、ニュートラルカラーでまとめられた柔らかいナチュラルな雰囲気が特徴。ノッティングヒル店もアクトン店も、やわらかな日差しが差し込み、観葉植物が自然に溶け込む開放感あふれる空間です。
ノッティングヒル店は外に多くのベンチやテーブルがあって、外でパンとコーヒーを楽しむ人でいっぱい。第一号店ともあり品数も豊富で、いろいろなパンをじっくり味わえるのが魅力。中心部に近くアクセスも良好な上、近くにお店も多く賑わっているエリアなので、食べ歩きやノッティングヒルの散策がてらに寄るのにぴったりです。

一方、アクトン店は外のベンチが二つのみで、シンプルな佇まい。近くにアクトンパークがあり、パンをテイクアウトして公園でひと休みするのもおすすめ。住宅街の中にあるので、地域に根付いたパン屋という印象で、落ち着いた時間が流れます。



パンレビュー
ではここから肝心のLayla Bakeryのパンをいくつかレビューしていきます。
Miso bun £5.5
この数年ロンドンで数多くのパン屋に足を運んできましたが、Miso Bun、これが一番好きかもしれません。

味噌とキャラメルのソースでコーティングされた外側はパリッと香ばしく、中はふわふわもちもちです。「Miso Bun」と名前にあるので味噌の風味が前面に出るかと思いきや、クセは控えめ。キャラメルとのバランスが絶妙で、味噌の塩気とキャラメルの甘さが重なり合う、いわゆる「甘じょっぱい」、やみつきになる味。
普段味噌をあまり好まない私のパートナーも、「味噌のパン…?」と戸惑いながら食べて、しっかりハマっていたので、味噌があまり得意でない人にもおすすめできる一品。値段は£5.5と決して安くはないけれど、ボリュームと満足感、そして何より美味しさがしっかり詰まっているので、この値段でも迷わずリピートしたくなる味。文句なしの
Yuzu meringue £5.5

サクサクのデニッシュにふんわりとしたメレンゲ、その下にはたっぷりの柚子クリーム。甘さを覚悟して食べたのですが、メレンゲの軽やかさと柚子クリームの爽やかさが見事に調和して驚きました。
デニッシュ生地はサクサクで軽く、やはり人気ベーカリーの実力を感じます。日本人にも親しみやすい味で、日本の本格的なパン屋さんにも十分通用する美味しさ。
Miso Bun に続き、Layla Bakery はユニークなフレーバーをペイストリーにうまく落とし込む印象。フレーバーが生地や全体と自然に共存していて、絶妙なバランス。お値段を考慮して
Bow tie £5.5
リボン型の可愛らしい見た目のBow Tie。写真映えもバッチリで、Instagramを見るとLayla の看板的ペイストリーみたい。外はパリッパリ、中はふわふわのクロワッサン生地にたっぷりのクリームが注入されています。

クリームの種類は季節によって変わり、ラズベリー&レモンクリームやブラックベリー&カルダモンクリーム、ライム&ヨーグルトクリームなどがあります。私が食べたのはチョコレート&ヘーゼルナッツクリーム。かぶりついた瞬間、音を立てるほど香ばしいパリパリの生地と中のふわふわ生地のコントラストに感動。
個人的にはチョコ系クリームのパンにはあまり手を伸ばさないため、フレーバーの好みのバイアスは多少あるものの、他のペイストリーの方が独創性が高い印象だったのが正直なところなので個人的に
。ですが、写真映えとパリパリの食感を求めるなら、この Bow Tieが一番おすすめ。アクセス
おわりに
旬の食材を生かした独創的なパンを楽しめる Layla Bakery。ノッティングヒルでは散策の合間に、アクトンでは公園でのんびり。特に Miso Bun は、一度は味わってほしい一品。
次回の「ロンドン パン図鑑」第二弾では Fortitude Bakehouse をレビュー予定。こちらもどうぞお楽しみに。