【ミンスパイ特集】イギリスのクリスマスを彩る伝統お菓子!気になる中身や味のレビュー、作り方まで大解剖
クリスマスシーズンのイギリスで、ベーカリーやスーパー、デパートの棚に必ずと言っていいほど並ぶ「ミンスパイ」。可愛らしい見た目と、季節を感じさせる香り高い味わいで、イギリスの人々に愛されています。
日本ではあまり知られていないこのミンスパイ。一体どんなお菓子?中身は何?味は美味しいの?この記事では、そんな疑問に答えながらミンスパイをご紹介していきます。
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ミンスパイとは?
ミンスパイは、サクサクのペストリー生地に、冬を代表するスパイスが効いたなミンスミート(レーズンやリンゴ、オレンジピール、ナッツ、シナモン、時にはブランデーを混ぜたフィリング)がたっぷり詰まった焼き菓子。
そのルーツは中世イギリスにさかのぼり、羊肉やスパイスを使った保存食として誕生しました。その後、砂糖の普及や時代の変化とともに甘いデザートへと進化し、現在の形になったと言われています。
イギリスでの人気ぶり
ミンスパイは、イギリスのクリスマス文化を象徴するスイーツ。スーパーマーケットやベーカリーではもちろん、家庭でも手作りされるほど愛されています。昨年の統計によると、イギリスではクリスマスシーズンに約7億個ものミンスパイが消費されたとか!
クリスマスシーズンになると、街中のカフェやクリスマスマーケットでも、温かい紅茶やワインと一緒にミンスパイを楽しむ人々をよく見かけます!
いつ食べられている?
ミンスパイが登場するのは、11月の終わり頃からクリスマスまで。特にクリスマスイブには、暖炉のそばにミンスパイを置いてサンタクロースを迎えるという文化もあります。この際、ミンスパイと一緒にミルクやブランデーを添える家庭も多いとのこと。
おすすめの食べ方
ミンスパイはそのまま食べても美味しいですが、温めて食べるとさらに絶品に。電子レンジやオーブンで軽く温めるだけで、焼き立ての香りがよみがえるのでおすすめ。さらにクリームを添えることで、ミンスパイの美味しさを一層引き立てることができます。
イギリスの有名紙 The Guardian の記事「How to eat: mince pies(ミンスパイの食べ方)」では、こんな付け合わせがおすすめされていました(以下日本語訳)。
- クレーム・フレーシュ: ふわっと軽い口当たりに、ほのかな酸味が絶妙なアクセントに。
- シングルクリームまたはダブルクリーム: どちらもミンスパイと美味しさをやさしく引き立ててくれます。
- カスタード: クリスマスの最初の一皿はとにかく贅沢に!濃厚で粘りのあるカスタードを添えれば、ミンスパイが一段とリッチな味わいに。
逆に、ブランデーバターやアイスクリーム、クロテッドクリームはおすすめされていないようです。どんな理由なのか気になる方は、ぜひ元の記事を読んでみてください!
どこで買える?
イギリスではクリスマスシーズンになるとどのスーパーマーケットでもお手頃な価格で手に入る、ミンスパイ。
1パック(6個入り)が、TescoやSainsbury’sでは2ポンド程度(約400円)、WaitroseやMarks & Spencerでは3.5ポンド(約700円)程度です!
高級志向ならFortnum & MasonやHarrodsなどファンシーなデパートの特製ミンスパイもおすすめ。1個4ポンド以上する贅沢な味わいを楽しめます!
ハリーポッターにも登場?
ミンスパイは、あの『ハリー・ポッター』シリーズにも登場しています。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で、ロンが夢中になって頬張っていたあのパイ、あれこそがミンスパイ。ミンスパイがいかにイギリスの文化に深く根付いた存在か伝わってきますね!
実際に食べてみたレビュー
私のパートナーの会社の所属部署では、毎年恒例「ミンスパイ食べ比べ」が行われているんだとか。各自が異なるスーパーのミンスパイを持ち寄り、みんなで味や見た目などのカテゴリを採点しエクセルシートにまとめ、総合ランキングを決めているらしいです。
遊び心万歳で可愛い部署ですよね!
今年12種類ものミンスパイから投票でトップ3位にランクインしたのは、以下のミンスパイ。この3つのミンスパイの味をレビューしていきます↓
1位: Waitrose No.1 Brown Butter Mince Pies with Cognac (4ポンド)
2位: Waitrose All Butter Mince Pies(2.75ポンド)
3位: TESCO finest All Butter Pastry Mince Pies(3ポンド)
前述の、The Guardianの記事でおすすめされていたクレーム・フレーシュも用意してみました!
いざ実食!
温めるとさらに美味しさが引き立つと書いていたので、電子レンジで10秒ほど温めてからいただきました。
まず、ペイストリー生地。どれもサクサク軽やかで、口に入れるとほろりと崩れる食感が印象的。中でも、Waitrose No.1 Brown Butter Mince Pieは特に「サクほろ感」が秀逸で、ひと口食べただけでふわっと上品なバターの風味が広がります。
肝心の味は、全体的にブランデー漬けのフルーツケーキを彷彿とさせる風味。加えてシナモンなどのスパイスが効いていて、クリスマス気分を盛り上げてくれるフレーバー。それぞれ3種のミンスパイのレビューは以下の通りです。
- Waitrose No.1 Brown Butter Mince Pie: バターの香りが上品に広がり、口の中でリッチな余韻を楽しめました。値段に見合う満足感アリ!
- TESCO finest: やや甘めで、甘党の方にはぴったりかもしれませんが、私には少し甘すぎる印象でした。
- Waitrose All Butter Mince Pies: 甘さ控えめでシンプルな美味しさ。食べ飽きない軽さがあって、私は一番お気に入りでした!
ミンスパイと検索すると「ミンスパイ まずい」といった検索結果を目にしますが、特にWaitroseのシリーズは日本人にも馴染みやすい味わいだと感じました。スパイスの香り豊かなフルーツフィリングは、紅茶やコーヒーとの相性も抜群。クリスマスのティータイムを彩るのにぴったりです。
レシピ:手作りに挑戦!
イギリスでは、ミンスパイを家で焼くのもクリスマスの恒例。伝統的な味を家庭でも楽しめるよう、手作りレシピを以下ご紹介していきます!
材料(12個分)
- 小麦粉:250g(ふるいにかける)
- 無塩バター:125g(冷やして小さな角切りに)
- 粉砂糖:50g
- 卵黄:1個
- 冷水:2〜3大さじ
※あくまで例なので、お好みで材料を足したり減らしたりしてみてくださいね!
- レーズン:150g
- サルタナ(白レーズン):100g
- ドライクランベリー:50g(お好みで)
- リンゴ:1個(皮をむき、細かく刻む)
- オレンジピール:50g(細かく刻む)
- ブラウンシュガー:100g
- シナモン:小さじ1
- ナツメグ:小さじ1/2
- オールスパイス:小さじ1/2
- オレンジの皮:1個分(すりおろす)
- レモンの皮:1個分(すりおろす)
- ブランデー:50ml(ラム酒でも可)
手作りのミンスパイは、自分好みの甘さやスパイス加減にアレンジできるのが魅力です!
作り方
1. ミンスミートを準備する
- ボウルに刻んだレーズン、サルタナ、クランベリー、リンゴ、オレンジピールを加える。
- ブラウンシュガー、スパイス類(シナモン、ナツメグ、オールスパイス)、すりおろしたオレンジとレモンの皮を混ぜる。
- ブランデーを注ぎ、全体をよく混ぜる。
- ラップをして冷蔵庫で一晩休ませる(最低でも2〜3時間)。これで味がなじみます。
2. ペストリー生地を作る
- 大きなボウルに小麦粉を入れ、冷えたバターを加える。
- 指先でバターをすりつぶすようにしながら、小麦粉と混ぜてパン粉のような質感にする。
- 粉砂糖を加え、軽く混ぜる。
- 真ん中にくぼみを作り、卵黄と冷水を少しずつ加えながら、生地がまとまるまで混ぜる。
- 生地を丸くまとめ、ラップで包み、冷蔵庫で30分以上冷やす。
3. ミンスパイの形を作る
- オーブンを180℃に予熱する。
- マフィン型にバターを塗っておく。
- 冷やした生地を取り出し、打ち粉をした台の上で3mm程度の厚さに伸ばす。
- 丸型のクッキー型(直径約8cm)で生地を抜き、マフィン型に敷く。
- 残った生地で星形や丸型を作り、上に乗せる飾りにする。
4. 仕上げ
- 焼き上がったら型から取り出し、冷ます。
- 粗熱が取れたら、粉砂糖を振りかけて完成!
ポイント
- 市販のミンスミートを使う場合:手作りの手間を省きたい場合は、スーパーで市販されているミンスミートを使用できます。イギリスではTescoやSainsbury’sなどで1瓶2〜3ポンドで購入可能です。
- バターは冷えたものを使う:生地の食感を良くするために、バターは冷蔵庫から出したばかりの冷たいものを使用しましょう。
- ブランデーの代替:アルコールが苦手な場合は、オレンジジュースで代用できます。
おわりに
イギリスのクリスマスを語る上で欠かせないミンスパイ。その温かみのある味わいは、食べるだけで季節感を存分に味わえます。旅行中のお土産や自分へのご褒美に、ぜひ一度本場のミンスパイを試してみてください!