【イギリス永住権】必要滞在年数が10年に引き上げ?知っておきたい最新情報まとめ 2025年版

イギリスでの生活が数年続くと、自然と意識し始めるのが「永住権(ILR)」のこと。
「これからもずっとイギリスで暮らしたい」「家族を呼び寄せたい」と考えるようになったら、永住権は避けて通れないテーマです。
さらに最近永住権の取得要件が今後より厳しくなる可能性があると報じられており、「この先どうすればいいの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ILRの基本から現行制度、そして変更案の概要や不確定な点まで、これから永住権を目指す方に向けて、わかりやすく整理してご紹介します。
関連記事もチェック!
そもそも永住権(ILR)とは?
ILR(Indefinite Leave to Remain)=「無期限滞在許可」
永住権とは、期限なくイギリスに住み、働き、学び、生活できるステータス。市民権(British Citizenship)とは異なり、選挙権やイギリスのパスポート取得権はありませんが、生活面での自由度は非常に高く、ビザ保持者にとっては大きな目標のひとつとなっています。

ILR保持者に与えられる主な権利とメリット
それでも、永住権があれば以下のようなメリットがあります:
- ビザの更新が不要になり、出入国も自由に
- 公的な医療(NHS)を引き続き無料で受けられる
- 家族の呼び寄せがしやすくなる
- 一定の条件を満たせば市民権(国籍)取得への道も開ける
- 連続で2年以上イギリスを離れると、ILRが失効する可能性あり
- 刑事罰や重大な移民違反歴があると、取り消しのリスクも

永住権があると、キャリアの選択肢や生活の安定性が格段に広がります💡
永住権とイギリス国籍の違い
比較項目 | 永住権(ILR) | 英国市民権(British Citizenship) |
---|---|---|
滞在 | 無制限 | 無制限 |
就労 | 自由 | 自由 |
国外滞在 | 最大2年間離れると失効の可能性 | 影響なし |
パスポート | 変更なし(自国パスポート使用) | 英国パスポート取得可能 |
投票権 | 一部制限あり | すべての選挙で投票可能 |

永住権取得から1年経過後、Life in the UK Testに合格し追加申請すれば、市民権の申請も可能!
ILRに申請できるのはどんな人?(2025年6月現在)
ILRは誰でも申請できるわけではなく、特定の条件を満たしている必要があります。

なお、現在報道されている変更案により、近日これらの条件がより厳しくなるとされています、、
必要な年数の連続滞在
指定されたビザでの連続した合法滞在が必要。※途中でビザカテゴリを変える場合、カウントがリセットされることもあるので注意。
ビザの種類 | 必要な滞在年数 |
---|---|
Skilled Worker(就労) | 5年 |
Spouse / Partner(配偶者・パートナー) | 5年 |
Global Talent / Innovator Founder | 5年(ただし条件による) |
Ancestry Visa(英連邦出身者) | 5年 |
Long Residence(長期滞在: 留学やワーホリなど合法的に英国に滞在した期間の合計) | 10年 |

ご覧いただける通り、現状ILRの申請に必要なイギリスの滞在期間は5年間。これが2025年の政府の改革によって、引き延ばされる見通し…
Absence(出国日数)制限
通常、直近5年間で合計180日/年以上の国外滞在があると対象外になる可能性があります。
英語能力の証明
CEFR B1レベル(スピーキングとリスニング)の英語力が求められます。
- 認定試験:IELTS Life Skills B1、Trinity SELTなど
- 例外:英語圏の国の国籍保持者、英語での学位取得者
Life in the UK Test の合格
イギリスの歴史、文化、法律に関する筆記テスト。公式ガイドブックの熟読と模擬試験の練習が必須です。
Criminal record(犯罪歴)の開示
重大な違反歴があるとILR申請が却下される場合があります。
【速報】政府が発表した「新制度案」とは?

2024年の総選挙で誕生した労働党政権は、移民政策の大幅見直しを掲げています。その一環として検討されているのが、新たな永住権取得の厳格化。
ILR申請に必要なイギリス在住期間の延長(5年→10年)
これまで、原則として5年間イギリスに滞在し、一定条件を満たせば申請できたILRですが、今後は10年間の連続滞在が必要になるという方針が示されています。
この変更が実施されれば、Skilled Workerビザなどを使って永住権を目指していた多くの人に大きな影響を与えることが予想されます。
- Skilled Workerビザ
- Health and Care Workerビザ など
詳細な対象範囲については今後の正式発表を待つ必要があります。
求められる英語力の厳格化
現在は、日常会話に支障がないCEFR B1レベル(例:買い物や職場での簡単な会話ができる程度)が求められていますが、今後は、より高度な英語力であるB2レベルへの引き上げが検討されています。
B2レベルとは、業務上の複雑なやりとりが可能で、意見を述べたり議論に参加できる水準。今後、ILR申請時にこのレベル以上の英語力が必要となる可能性があります。
【注意】まだ決まっていないことは?

現在報道されている内容は、あくまで「方針」の段階。以下の点については、まだ政府からの正式発表がありません:
不明点 | 現状 |
---|---|
現在既に滞在している人に適用されるか? | 明確な発表なし。経過措置の可能性あり |
過去に5年間働いた人も対象外になるのか? | 対象外になるとすれば大きな反発が予想される |
対象ビザの範囲 | Skilled Worker、Health and Care Workerなどと見られるが詳細未定 |
審査基準の強化 | 納税状況・職業・英語力などが審査対象となる可能性あり |
今できること・これから備えること

イギリスの移民制度は、政権交代や経済状況によって大きく変動します。その変化に振り回されないためにも、今できる準備を進めておくことが大切。
情報収集を欠かさずに
- gov.ukの永住権ページを定期的にチェック
- 英国移民専門弁護士や市民相談機関の発信も参考に
今の制度での取得チャンスを逃さない
- もし5年の条件がもうすぐ満たされそうなら、早めに申請準備を進めるべきタイミング
- Life in the UKテストは今からでも受験可能(何度でも挑戦できる)
将来に向けて、プランBを考えておく
- ILR取得が遠のくなら「配偶者ビザ」「Global Talentルート」など、別ルートも検討を
- 日本への帰国や他の国への移住を含め、ライフプランを見直す機会に
おわりに
永住権はゴールのように見えて、あくまで「選択肢を広げるためのステップ」のひとつ。どんな制度に変わっても、必要なのは冷静な情報判断と、確かな準備です。
これからイギリスでの長期滞在や定住を目指すすべての方が、自分らしい未来を選べますように!